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【金型でシェル中子を製造】鋳造・シェルモールドについて解説!

【シェル中子と金型】鋳造・シェルモールドを徹底解説

シェル中子は、水栓蛇口やバルブ、車の部品、鍋、フライパンなど様々なものづくりに活用されています。鋳造では、シェル中子を使用して複雑な形状を作ることが可能です。鋳造法である砂型鋳造と金型鋳造は、それぞれのメリット・デメリットがあります。それぞれの特徴を押さえて、適切な工法を選び、依頼することが大切です。

そこでこちらでは、金型と鋳造方法について解説するとともに、シェルモールド法についてもわかりやすくご紹介します。工業製品の製造において欠かせないシェル中子についての知識を得ることで、設計仕様に合わせて柔軟な製作依頼が可能となるでしょう。シェル中子の製作なら、ぜひ岐阜県山県市の岐鋳までご依頼ください。

シェル中子製造なら!金型と鋳造についてご紹介

鋳物の主な加工方法は、砂型鋳造と金型鋳造の2つに分けられますが、何がどのように違うのでしょうか。それぞれのメリット・デメリットの両面を理解した上で、加工方法を検討することが重要です。

まずは、それぞれの特徴について解説します。さらに重力金型鋳造用の金型についても紹介しますので、この項目で基礎知識を身につけることができるでしょう。常に品質・コスト・納期が問われる製作現場において、優れた設計を製品へと反映させるための参考にしてみてください。

【シェル中子と金型】砂型鋳造と金型鋳造

鋳造の特徴をご紹介

砂型鋳造と金型鋳造のそれぞれの特徴や作り方は以下のとおりです。

金型鋳造
  • 金属で製品の型を造り、重力を利用して鋳込む
  • 寸法精度・鋳肌に関して、安定した品質で製造できる
  • 形状にもよるが、砂型に比べて数倍の製造コストがかかる
  • 高い精度の製品を製造でき、耐圧性や強度に優れている
  • 繰り返し使用できて、長期間の保存が可能なため大量生産に向いている
砂型鋳造
  • 樹脂で特殊コーティングした砂型を、鋳型にセットして鋳物を製造できる
  • 金型に比べて低コストでの製造が可能である
  • 複雑な形状に対応でき、大きさにも制限がない
  • 小ロットでの製造に向いている
  • 試作に必要とする時間が短い
  • 容易に製品の溶接ができる

上記のように、金型鋳造と砂型鋳造では、その特徴や作り方が異なります。例えば、複雑な形状の設計部品で、なおかつ小ロットの製品であれば、砂型での製造が向いています。自社製品の製作を見積もり依頼する段階で、設計方針にしっかりと合った製造会社を選ぶことが大切です。

また、砂型鋳造は歴史のある加工法としても知られており、古くから工業製品の製造現場で使われてきた技術です。小ロット生産に向いており、なおかつ試作に必要とする時間が短いため、スピード感を要求される企業のものづくりにおいて大いに重宝します。一方、金型鋳造はその砂型から発展した鋳造法であり、肉厚のものに適した加工法として使われています。

このように、それぞれの特徴や作り方の違い、メリットがあるため、目的に応じて工法を選ぶことが大切です。工法について判断に迷った場合は、製造会社に相談してみることをおすすめします。

【シェル中子と金型】重力金型鋳造用金型

重力金型鋳造用の金型

金型鋳造の種類の一つとして、重力鋳造があります。その特徴は以下です。

  • 中空構造や厚肉の鋳物の製造が可能である
  • 溶接や熱処理が可能である
  • 設備費が低コストである
  • 高気密な鋳物を製造できる
  • 難しい形状でも対応できる
  • あまり生産性は高くない

重力鋳造は、その名称のとおりグラビティ鋳造とも呼ばれています。その一般的な構成として、上下もしくは左右に分割ができる2枚の金型を使います。しかし、複雑な形状に設計されているものに関しては、2枚以上に分割できる金型を使用したり、引抜中子が利用されたりします。

中空の構造を必要とする設計では、金型ではかたどることのできない凹凸状の部分を形成することを目的として、シェル中子や砂中子が用いられることもあります。

作り方としては、2枚もしくは複数枚を合わせた金型に、アルミニウム溶湯を保持炉からくみ上げて流し込むというものです。このときの金型の温度は300℃程度であり、アルミニウム合金は700~750℃の鋳造温度で扱われるため、金型は耐久性と耐熱性を備えている必要があります。その後、金属の凝固が終了すれば、金型を取り外して鋳物が完成します。

製造機は、備え付けの油圧シリンダで金型の開閉が可能なものから、手動で開閉が必要なものまで多くの種類があります。

また、重力鋳造と同じく金型を使用する方式として、ダイカスト法があります。その作り方の違いとして、重力鋳造は重力で自然に溶融した金属を流し込むのに対して、ダイカスト法では圧力をかけながら金型へ金属を流し込むという点が挙げられます。それぞれの特徴について知った上で、設計仕様、大量生産・小ロット生産などの違いに応じて、見積もりの段階で適合した製造会社を選択する必要があります。

シェル中子製造の依頼をお考えでしたら、岐阜県山県市にある岐鋳にお任せください。水栓蛇口やバルブの鋳造において重要となる、鋳造用シェル中子に特化して製造しております。お客様の様々なニーズに対応するべく高い技術力を追求し、安定した品質の製品をお届けいたします。

「製造コストをできる限り削減したい」「小ロットは難しいと他社で断られてしまった」「軽量化を図りたい」といったお悩みやお困りごとがございましたら、ぜひ一度ご相談ください。費用のお見積もりや納期など、ご不明な点やご質問はいつでも承りますので、お気軽にお問い合わせください。

シェル中子製造なら!金型に砂を吹き込み焼成するシェルモールド

シェル中子を使用した鋳造法にはシェルモールドがあります。次の項目では、シェルモールドについての基礎知識の解説に加えて、さらに中子設計において欠かせないRCS(レジンコーテッドサンド)についてもご紹介します。小ロット生産にも利用しやすいシェルモールドに関しての正しい知識を身につけましょう。

【シェル中子と金型】シェルモールド鋳造

シェルモールド鋳造について

シェルモールドとは、鋳物を製造する際に金型へシェル中子(砂型)をセットして鋳造する技法のことです。シェル中子の作り方は、フェノール樹脂でコーティングした珪砂を金型へ吹き込んで焼成して、熱硬化作用で固めるというものです。

シェルモールドは砂型の強度が高く、金属の膨張にも強いため、高い寸法精度や複雑な形状を求められる設計仕様の製品にも適用できます。また、シェルモールドという名前の由来は、薄い貝殻状の鋳型であることによります。薄い鋳型であることの利点としては、通気性が良く、鋳物の表面が美しく仕上がり、なおかつ輪郭がくっきりとすることが挙げられます。

また、その高い精度を活かして、シェルモールドは以下のようなものづくりにおいても利用されています。

  • 自動車のエンジン、部品
  • 水道バルブや蛇口などの水栓金具

大物から小物まで、幅広いサイズの鋳物へと使用することができることに加えて、大量生産にも小ロット生産にも利用できる万能な工法です。シェル中子の製造をお考えの方は、それぞれの製造会社が特化している分野を確認した上で、見積もり依頼をするようにしましょう。

【シェル中子と金型】中子設計に必要なRCS

作業着を着用した人物

シェル中子の設計において、RCS(レジンコーテッドサンド)は欠かすことのできない素材です。そもそも中子とは、中空構造を要する鋳物において使用される砂型のことを指します。その中子の素材が、RCSなのです。

RCSの作り方は、珪砂などの骨材に、フェノール樹脂やヘキサミンという硬化剤、滑剤などを混ぜて作られます。その特徴は構成素材のうち、その9割以上が骨材でできている点で、フェノール樹脂は骨材を接着する役割を果たしています。

中子の作り方は、RCSを型に入れて熱をかけることで、軟化した樹脂が砂を結合させて、砂型として扱えるように固形化するというものです。フェノール樹脂は、150℃程度で硬化反応が開始され、350℃程度で熱分解が加速する特性があります。その特性を活かすため、金型の温度は250~350℃程度で設定されるのが一般的です。

また、鋳造時に使用された際、RCSは1000℃程度で崩壊するため、注湯された金属の熱によってもとの砂の状態に戻ります。その原理を利用して、中空の鋳物を製造することが可能となっているのです。

RCSにおいて珪砂が骨材として利用されている理由は、低コストでの製造が可能というものによりますが、一部では特殊砂という骨材が使用される例もあります。これは、珪砂が主成分とする石英が570℃程度で急激な熱膨張をする特性があるためです。しかし、特殊砂であるクロマイトサンドやジルコンサンド、または球状骨材などは高コストであり、使用箇所は限られます。

シェル中子を用いた砂型鋳造は、低コストかつ小ロット生産が可能な工法であるため、試作品の製作としても相性が良いです。その反面、中子の設計をするためにはしっかりとした技術が必要なため、実績のある製造会社へ見積もりを出すように注意しましょう。

金型でのシェル中子鋳造で低コストを実現!見積もり相談はぜひ岐鋳へ

シェル中子は、複雑な設計仕様の鋳物にも対応ができるため、鋳造工程において必要不可欠な砂型です。複雑な設計仕様に対応できるだけではなく、コストがかからない、小ロットの製造にも対応ができる、試作品の製作にも適しているといったメリットがあります。

岐阜県山県市に会社を構える岐鋳では、水栓金具のシェル中子製造に特化しております。その小回りの利く強みを活かして、大物を扱う製造会社では難しい小物の製作、小ロット生産も可能です。全国の法人様のニーズに応えることができるような部品の製造を行っております。御社の製品における低コストを実現するためにも、お見積もりは岐鋳へとぜひご相談ください。

お問い合わせは電話にて受け付けております。「お名前」「ご連絡先」「お問い合わせ内容」をお伝えください。受付時間は午前9時から17時までです。お電話に出ることができない場合もございますがその際には、後ほどこちらよりご連絡をさせていただきます。何かご不明な点がございましたら、お気軽に岐鋳までご連絡いただけますと幸いです。

低コストを実現!金型でのシェル中子鋳造の見積もり相談は岐鋳へ

会社名 岐鋳(ぎちゅう)
代表者 屋敷 吉秀
住所 〒501-2115 岐阜県山県市梅原965
TEL 0581-27-0092
FAX 0581-27-0093
営業時間 9:00 - 17:00
定休日 土曜・日曜・祝日
事業内容 鋳造用シェル中子製造
駐車場 会社前に駐車場がございますので、そちらへお停めください。
URL https://gichu-nakago.com/